当協会では、地域社会の発展や産業の振興を目指し、多岐にわたる事業を受託し、その推進に取り組んでまいりました。以下に具体的な事例を挙げながら、これまでの取り組みをご紹介いたします。
これからも、支援機関の皆様から信頼されるパートナーとして、多様な事業の推進に努め、社会の発展に貢献していく所存です。

1.シニアの活躍の場の拡大事業(埼玉県)

埼玉県産業労働部人材活躍支援課の事業で8年目を迎えました。年間で500社を超える企業に訪問するなど比較的大きな事業です。2024年度の本事業は以下の内容でした。

(1)シニア活躍推進宣言企業の認定制度

 60歳以上のシニアが働きやすい環境を整えている企業を埼玉県が認定する制度です。アドバイザーが企業訪問し、ヒアリングを実施し、申請書を作成します。250社の認定希望を取得しました。


(2)シニア活躍専門家派遣

 シニア活躍推進宣言企業の認定を取得した企業は、専門家派遣(原則2回まで)を利用できます。シニアから若手への技能の承継、人手不足対応としてのシニアの雇用の検討なシニアに関連する課題に対してアドバイザーが支援しました(20社)。


(3)追跡調査

 過去の認定企業に対して、訪問・電話による追跡調査(約250社)を実施しました。

2.原材料価格高騰対策支援事業

 埼玉県産業労働部産業支援課の事業で本年新たな事業です。県内中小企業の原材料高騰対策目的の事業になります。

(1)専門家派遣

 約45社の県内企業に対して原材料高騰対策のための専門家派遣を実施しました。

(2)補助金申請窓口業務

 申請受付、確定受付、現地確認業務を実施しました。

3.価格転嫁の円滑化に向けた働き掛け及び伴走型支援業務

埼玉県産業労働部労働政策課の事業で昨年度に引き続き受託し実施しています。

(1)パートナーシップ構築宣言登録事業者へのフォローアップ

 中小企業庁が主導しているパートナーシップ構築宣言(https://www.biz-partnership.jp/)登録事業者である県内企業2,500社を対象とした架電によるフォローアップと、ニーズに応じた伴走支援につなげています。

(2)伴走支援

 県内140社に対して価格転嫁を円滑に行えるように伴走支援を実施しました。また、当協会主導で収支計画シュミレータを開発しました。

(3)パートナーシップ構築宣言未登録事業者への周知

 中小企業庁が主導しているパートナーシップ構築宣言(https://www.biz-partnership.jp/) 未登録事業者への架電(2,500社)による周知を行いました。

4.金融機関連携プロジェクト

 2024年7月に埼玉りそな銀行と包括協定を結び経営改善が必要な企業への計画策定を実施しています。また、従前から連携している埼玉縣信用金庫との連携も深化しており、飯能信用金庫とも連携を進めています。

5.埼玉県中小企業人手不足対応支援事業

 人手不足対応支援事業は、生産年齢人口の減少等に起因した人手不足の課題解決に向け、機器・ITツール等により省力化に取り組み成長を目指す県内中小企業に対し、設備投資に要する経費の一部を補助することで、生産性を向上し、人手不足に対応した経営体質を持つ企業を創出する目的の事業です。
 県協会では、産業労働部産業支援課が実施する「埼玉県中小企業人手不足対応支援事業補助金」において、補助金事務局業務を受託し、県内事業者の補助金申請等の支援を実施しました。
 補助金申請窓口業務として、申請に関する問い合わせ対応から申請書受付、実績報告等の業務を担いました。
 当事業では当協会が準備した電子申請システムを活用し、事業の効率化を図りました。
 現地確認業務では、会員の中小企業診断士が多数活躍しました。

6.県内中小企業のためのデジタル人材育成事業

 埼玉県産業労働部産業人材育成課が実施する、デジタル人材育成事業のうち、県内企業へのDX化状況ヒアリング調査やDX推進講座の講師派遣、講座やセミナーへの集客協力を実施しました。

7.金融機関からの受託事業

 埼玉県からの受託事業以外にも事業計画策定支援など、地域金融機関からの受託事業も行っています。

(1)2024年度の取組

 従来から取り扱ってきた事業計画策定支援等に加え、今年度は川口信用金庫から経営塾開催における講師の派遣、カリキュラム作成等の業務を受託しました。

(2)かわしん経営塾 next neo について

 埼玉県川口市に本店を置く川口信用金庫は、次世代経営者を対象とした新たな気付きの場を提供することを目的に「かわしん経営塾 next neo」と呼ばれる経営塾を発足しました。

 この経営塾は、2025年3月に創業100周年を迎える川口信用金庫の記念事業と位置付けられており、高いレベルのカリキュラム提供が求められたことから当協会にカリキュラム作成の依頼があったものです。
 診断協会では、6名の中小企業診断士が本事業を担当し、かわしん経営塾 next neo のために新たなカリキュラムをオリジナルで作成、2024年5月~7月まで全6回で実施された経営塾の講師も務めました。
 セミナー形式でただ講義を聞くだけの時間ではなく、参加する次期経営者や創業者、事業承継予定者などが互いの認識を深め、共通の経営課題に対して活発な意見交換により新たな気づきを得られる時間にしたいという川口信用金庫の想いに応えるため、グループワークとディスカッションを中心としたカリキュラム構成を行い、毎回グループ編成を変えることで参加者が交流を図れるよう工夫したり、グループワーク時には各班に診断士がファシリテーター役を務めたことで、活発な意見交換が醸成され参加者から高い満足度を得られました。

(3)今後の予定

 川口信用金庫では経営塾の継続的な開催を予定しており、「かわしん経営塾 next neo」のブランド化を推進していることから、引き続き埼玉県中小企業診断協会との連携を強化していくこととなっています。

8.その他

 県の経営革新プロジェクト、川越商工会議所窓口相談、県商工会連合会経由での各単会での窓口相談、など多くの事業を受託しております。

受託実績

主に埼玉県内の自治体、機関、団体、企業などから受託してきました。

  • 経済産業省関東経済産業局
  • 農林水産省関東農政局
  • 埼玉県
  • 埼玉県内市町村
  • 埼玉県中小企業団体中央会
  • (公財)埼玉県産業振興公社
  • (公財)さいたま市産業創造財団
  • 埼玉県商工会連合会
  • 埼玉県商工会議所連合会
  • (独)中小企業基盤整備機構
  • JA埼玉
  • 埼玉県中小企業活性化協議会
  • 金融機関・信用保証協会
  • 商工会・商工会議所
  • 各種商工業組合
  • 医療機関・福祉施設
  • 各種業界団体
  • 中小企業  等(順不同)